リア充に囲まれてお花見した話

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日記
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(2016年2月にnoteに投稿したものをそのまま転載いたします。)

もうすぐ春が来る。

ふと気がつくと、関西から上京して3年半以上の時が流れていた。
この3年半の間、私がリア充だった時期なんてあった時間の方が短い。圧倒的に短すぎる。

そう、私は東京での生活をほとんど“一人”で過ごしてきた。

一人でいる生活が「さみしい」より「楽だ」と感じ始めた頃、私は前より自分が好きになっていた。うん、なんだかんだ自分が一番の親友だよな、と。

例えば自分のことが好きだ、と感じる瞬間。

去年の春。
近所にあるお花見スポットで咲き乱れる桜の木の下、一人花見をした時のこと。

周りはリア充だらけ。私は一人ベンチに座り、桜を見上げながらスーパーで買ったおにぎりを肴にお酒を飲んでいた。

一人花見。はたからみたらさみしい女かもしれない。
いや、誰一人の視界にすら入っていないかもしれない。

しかし、私はフッ、と余裕の笑みを浮かべていた。

このわずか数十分前までは、こんな笑みを浮かべられなかったのに。

一人花見をするベンチに座るまで、私はマスクをしていた。
一見ただのマスク女だが、私のマスクの下は平和じゃなかった。

(チッ、リア充達め・・・・・・・)

心の中で舌打ちをしながらベンチに座った。

マスクは便利だ。

マスクをしていると感情を隠さず顔に出せるから。

さぁ、一人花見開始、といったところでぎりぎり歯を食いしばった口元をそっと閉じ、マスクを外した。

一人だけど・・・恋人いないけど・・・花見をする友達もいないけど・・・

花見がどうしてもしたかった。

淡いピンク色が世界を包む。

なんて美しいのだろう。

時折吹く春風に連れ去られる桜のシャワーが心地よい。

酒が進んだ。

どんどん進んだ。

そして私は酔っ払った。

酒がまわった時、私の顔から笑みがこぼれた。

一人花見めちゃくちゃ楽しい・・・ね、マコちゃん♩

私はそっ、と自分に問いかけた。

うん、楽しいね、マコちゃん♩♩

私から返事が返ってきた。

こんなやりとりを一人二役でやりながら、時々我にかえる。

(何やってんだろ、私・・・)

このちょっと現実に戻った瞬間だ。私が自分のこと好きだな、と思うのは。あまりにもばからしくて自分に笑ってしまう。好きだ、私。だってこんなことできるのは自分一人しかいない。一人でしかできないのだ。

一人花見、またの名を一人デート。

私は一人が好きだ。

一人でラーメン屋も行くし牛丼屋も入る。

(写真のラーメン屋はトキワ荘跡地近くの松葉さん。時が止まったような不思議な空間で昔ながらのラーメンが味わえる。)

一人カラオケもよくするし、一人で美術館も行く。

酔っ払ってなんと一人でクラブにも行った事がある。(泥酔してたとはいえこれは最初かなり勇気が必要だった)

一人でレストランやカフェはもちろん序の口だ。
関西にいる幼なじみ達にそれを話すと

「えー、よく入れるなぁ!?(汗) 私は一人でレストランとか無理やわ。だって友達おらん人みたいやん」
「うちも無理やわ。カフェならまだぎりぎり行けるけどレストランはちょっと・・・」

こんな返事が返ってきた。

・・・・・うん。だって東京で友達あんまりいないんだもの。

そもそも私は一人でいる事が昔から全く苦痛じゃなく至福とまで感じていた。

あんまり気をつかう人と食事するより一人でランチがいいし、カラオケも一人だと好きな曲や練習したい曲を好きなだけ気楽にいれられる。

去年の一人花見だって、リア充だらけの中で一人酒したのはわりと楽しかった。

ゆっくりと一人で過ごす時間は、自分が親友であり、家族であり、最高の人生のパートナーであると気づく。

悲しい事があったら涙を流してくれる自分。

嬉しい事があったら喜んでくれる自分。

たまに「自分が嫌い」とか「自分のこと好きな人はナルシストだ」という人がいるけど、私は是非そんな方々にすすめたい。

一人デートを沢山しましょう!!!!!
・・・と。きっと、自分の新発見があるはずだ!と私は思う。

以上です。

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