「同棲解消、その後の話」その2

エッセイ

真夜中に玄関のドアをトントンと叩く音。

もしかして・・・・・

おそるおそるのぞくと、サトル君がドアの前で立っていた。

トントン

またドアを叩かれる。

その時わたしは酔っ払っていたせいか、ついドアを開けてしまった。(チェーン付きだが)

そこには今にも泣きそうなかなしそうな顔をしたサトル君の姿が・・・。

めっちゃ泣きそう。

泣きそうなサトル君がなんだか可愛いくて

つい笑ってしまった。

真夜中に別れた男が家におしかける。

シチュエーションとしてはなかなかホラーなのに。

泣きそうなサトル君が愛おしいとまで思ってしまい、ついチェーンを外してドアを開けてしまったのだ。

その瞬間、あんなに弱々しく見えたサトル君が途端にイキイキとし、元気になった気がした。

(しまった、ブロックしてちゃんと別れるつもりだったのに)

同棲解消後、こちらから連絡した事は一度もないし、喧嘩したのを機にブロックまでした。

なのになぜまたサトル君はわたしに会いに来るのだろう。

情?

情ならわたしもあった。

ただ、情はあってもちゃんと別れたかった。

だから、本当に本当に終わりにしたいと思って連絡先もブロックしたのに。

再び、中途半端な関係は続いた。

本当にちゃんとお別れしなければ。頭の中ではそう思っていても、喧嘩をせず仲が良い時はサトル君と一緒にいる時間は幸せだった。

そのうちサトル君はまた一緒に暮らしたいと言ってきた。

同棲は家賃も安くなるし正直金銭面では助かる。

しかし、喧嘩をしてお互いまた傷つけ合うのがこわかった。

だからこそ、かなりキツイ口調でサトル君にこう言った。

「絶対にまた同棲なんて無理。というか、プライベートで会うのも終わりにしよう。もうお願いだから別れて」

意地悪な顔してただろうな、この時のわたし。

サトル君の反応を見て驚いた。

えっ・・・・・・・

背中が小さく震えているのだ。

つづく

その3

「同棲解消、その後の話」その3
サトル君の背中が震えている。横からのぞきこむと・・・大粒の涙を流していた。さらにうっ、うっ、と声まで出して泣いている。「何でそんな事言うの・・・」震えた声でサトル君が言った。わたしはバカだ。サトル君の...

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秘密の話|緑丘まこ|note
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